自筆証書遺言の法的要件
自筆証書遺言は、自分のみで自由に作成することができる遺言方式です。
自分だけで作れますので、内容を誰にも知られずに作成することもできます。
ただし、書式や内容によって要件を満たしてない場合は、遺言自体が無効になってしまうこともあるので注意が必要です。
自筆証書遺言の法的要件は以下の通りです。
- 全文を自書する
- 日付を自書する
- 氏名を自書する
- 押印をする
全文と日付と氏名を自書しなければなりません。
自書ですので、ワープロやパソコン等で作成されたものはもちろん、点字機なども無効です。
音声が録音されたテープや、映像が録画されたビデオなども無効です。
日付は、「○年○月○日」が理想ですが、「満○才の誕生日」など、日付がわかる場合は有効とされます。
年は、西暦でも元号でもかまいませんが、「2009年7月」のように、日の記載が無い場合は無効となってしまいます。
また、「平成21年4月吉日」のように、「吉日」と書いた場合も無効です。日付がはっきりとわからないからです。
署名は、本名に限らず、通称やペンネームや芸名でも構いません。
押印の印鑑は実印でなくても構いません。
認印で良いです。
三文判でも拇印でも良いとされています。
加除訂正をする場合
遺言に加除訂正をする場合は、民法に定められた方式に従って行います。
方法は、自書で、「場所を示し、変更した旨を書き、署名し、実際の変更をその部分に加え、変更した場所に印を押す」となっています。
説明だけではわかり辛いと思いますので、サンプルをご覧ください。
遺言書の加除修正のサンプル
遺言書を封筒に入れる場合
遺言書を封筒に入れるのもかまいません。
ただ、その場合は、封筒に遺言書が入っていることを書いておいた方が良いでしょう。
書いてないと、遺言書が発見してもらえない可能性があります。
また、封をした場合は、家庭裁判所で相続人またはその代理人の立会いの元で開封しなければいけません。
遺言書を書く用紙と書くもの
どんな紙でも構いません。
市販の便箋などで十分だと思います。
書くものも何でも構いません。
ただし、後の争いの元になる恐れがありますので、鉛筆などの簡単に消したり修正できるものは使わないほうが良いでしょう。